Hamony Music

幾重にも重ねられたアンチヒューマニティックな声の壁がQUEENサウンドの醍醐味ですが、ここではスタジオ芸術としてのハーモニーを作り出しているアーティストをご紹介します。(年代順)

 

Hollies  /  Butterfly  (1967)

uh 英国ハーモニー・ポップの最大手、ホリーズのサイケ期の渾身の一枚。メロディアスなベース・ラインは、ジョン・ディーコンに影響を与えたはず。ジョンのベースは、ホリーズ、ポール・マッカートニー、ブライアン・ウィルソンのようだ。彼がクイーンのポップ・サイドの立役者であった事は紛れもない事実。「ステップ・イン・サイド」「ディア・エロイズ」のスペシャル・ポップなナンバーを、若きクイーン達が聴いて、その商品力を高めたのだろう。

 

 

Cowsills / Captain Sad & His Ship of Fools  (1968) 

uh 60年代アメリカン・ハーモニーポップの大御所グループ。ビーチボーイズとの比較が妥当な彼らだが、ベトナム反戦映画『ヘアー』のテーマ曲「ヘアー」の空間を埋め尽くす攻撃的なコーラス・ハーモニーは70年代初頭クイーン(フレディ)が夢見たものに違いない。とにもかくにもエンターテイメント以外の何者でもない所にクイーンとの類似もみる。彼らの眩い煌きに身を委ねれば、どんな嫌な事も吹っ飛びます。オリジナルは2nd以降はどれも最高。

 


Chris Rainbow  /  Unreleased & Demos (1973-1983)

uh 英国の一人ビーチボーイズとの異名を持つ彼のアンソロジー。ビーチボーイズのハーモニーとQUEENのハーモニーは根本的に作りが違います。ビーチボーイズファミリーの完璧なハーモニーはライブ再現可能であり、QUEENのスタジオ作業の中でのみ生まれる擬似的な声の壁ハーモニーはライブ再現不可です。彼は前者のBB5的ハーモニーを一人で作ってしまう所に、QUEENのような擬似感を感じてしまうし、超完璧主義者としてフレディとの共通性もみる。本作12曲目「Who Cares」のテンションの張り詰めたピアノとカオス溢れる、オペラティック・ハーモニーには打ちのめされます。

 

QUEEN  /  華麗なるレース  (1976)

uh 世紀の名盤オペラ座の夜の後に発売された今作。オペラ座までの過剰さは、影をひそめ優雅な音世界が広がる。クイーンの特質のハーモニーは多重録音であるが、今作あたりから、グッと録音技術が向上し、そのハーモニーも美しく響く。「ファット・ボトム・ガールズ」「愛にすべてを」あたりはクイーン・ハーモニーの高純度の結晶ではないだろうか。

 

 

 

Billy Joel  /  An Innocent Man  (1983)

uh ピアノ・マンとして知られる彼の83年の作品。全編ご機嫌なハーモニー・ソングが詰め込まれているが、「アップ・タウン・ガール」の美しく、緻密で流れるようなコーラスハーモニーはフレディの作るそれと酷似。フレディのピアノ・ソロの鬼気迫るプレイは、楽観的な彼の姿勢とは対照的。

 

 

 

ブライアン・ウィルソン  /  スマイル   (2004)

uh 『ペット・サウンズ』の次に用意されていて、もし発表されていたら今のビートルズの位置がそのままビーチ・ボーイズになっていてもおかしくはなかった『スマイル』。頓挫から40年近く。長年ブライアンを苦悩の淵にたたきおとしてきた本作は2004年ようやく、日の目をみた。当時フレディはスマイルのサウンド・プロダクションに相当興味をもっていたはず。「英雄と悪漢」「グッド・バイブレーション」の幾多のパートからなる構成は「ボヘミアン〜」の雛形ともみれる。

 

 

 

 

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